第十六話「君が代」

第十六話「君が代」

まず、日本の代表的な和歌は二つあります。
ひとつは、
久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ


この歌は、音の並びが良い!
日本語は、響きなんですよね。

磯城島(しきしま)の 大和の国は 言霊(ことだま)の 助くる国ぞ ま幸くありこそ
と、万葉集で歌われるように、言霊の幸わう(さきわう)国なんですよね。


もう一つは、
君が代は千代に八千代に
さざれ石の巌となりて 苔のむすまで


これも、また音の並びが良い!


さて、
君が代を解説するとき
君が代は千代に八千代に‥
が、わかれば後の意味もわかります。
後は、例え話なので☆



君が代の「代」とは、いのちという意味です。
先祖代々、と言いますよね。あれは、先祖のいのちいのちと言うことになります。


つまり、君が代は千代に八千代にとは
あなたの命が、いつまでもいつまでも続きますように。
という、美しくて一途な祈りの歌だったのです。


しかもですよ。
この歌はね、詠み人しらず。つまり、誰が詠んだのかわからない。
ただ、女性が詠んだことはわかります。


なぜ?


「君が代」は、800年前の『和漢朗詠集』に載っています。
しかし、もっと遡ると1200年前『古今和歌集』に載っているのです。


君が代は 千代に八千代に、ではなく、
我が君は 千代に八千代に‥と。


我が君は、とは、女性が男性に対して呼ぶ言い方でした。


つまり、1200年よりもっと昔、誰が詠んだかわからない、しかも、一人の女性が男性に贈った、祈りのような歌を、この国は国歌にしてるんです。
その歌は、イギリスのギネスブックにも世界最古の国歌と記載されている。


くうぅぅーー!!!
こう、胸がきゅんとなりませんか?!


一人の女性に、こんな祈りの歌を贈られた日にゃー、もぅ!槍が降ろうが何が降ろうが、男は無敵ですよ。


それを国歌にするとは、粋ですよね。



国歌になるまでは、民間の歌でした。
色んな場面で詠まれました。


国歌になってからも、民間の歌であります。
ただ、天皇陛下の前では陛下のいのちのながからんことを歌うので、二つの意味を持つようになりました。


陛下の祝い歌も沢山ありますが、その場合、「大君が代」や「君が御代(みよ)」と言います。

つまり、君が代とはやはり、民間の中で歌い継がれた、素朴でそれでいて美しい歌なのです。 



なんだか、ロマンチックじゃありませんか?
いやあ、女性は偉大ですね。



ふと、口ずさむのも良いかもしれません。
時を越えて、出逢う何かが、歌にはあります。



時を越え 恋い焦がれしその気持ち
歌い継がれし千代に八千代に


読んでくださり、感謝します。
ありがとう☆


坂上太一拝

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コメント: 4
  • #1

    sora (金曜日, 07 9月 2018 00:34)

    お久しぶりですね‼︎
    お忙しくご活躍されているようで
    *\(^o^)/*
    やはり太一さんの講座は面白いです!
    日本ってすばらしいですね!
    次回も楽しみにしています
    (*^^*)

  • #2

    坂上太一 (金曜日, 07 9月 2018 09:28)

    soraさん
    ありがとうございます☆
    随分あいてしまいましたが、呼んで頂きありがとうございます!

    これからもお楽しみに☆

  • #3

    sora (火曜日, 13 11月 2018 17:28)

    太一さん
    いや 太一先生!
    講座はお休みですか?
    楽しみに待ってます
    (*^^*)

  • #4

    坂上太一 (火曜日, 13 11月 2018 17:37)

    わーお!笑

    いつの間にか、ずっと書いてないですね。
    大きく言って三日坊主。

    ぼちぼち書きますねー( ^∀^)

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